「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO入試)」の3つの違い

【2024年度に推薦入試(総合型選抜と学校推薦型選抜)

での大学入学者数が一般選抜(一般入試)を越えた】

この事実がスタート地点です。

2024年度に推薦入試(総合型選抜と学校推薦型選抜)での

大学入学者数が一般選抜(一般入試)を越えた事が話題です。

その「推薦入試」の細部の違いをまとめました。

「推薦入試にいろいろ?はて?」という方は下記記事を先にどうぞ。

(関連記事)

総合型選抜の基本のキ(2021年度から名称変更):大学入試・推薦の時代

2011年度 2024年度
入学者総数 599407人(100%) 613453人(100%)
一般選抜(旧・一般入試) 333722人(55.7%) 291590人(47.5%)
学校推薦型入試(指定校推薦を含む) 210450人(35.1%) 214549人(35%)
総合型選抜(旧・AO入試) 51895人(8.7%) 98520人(16.1%)

出典:文部科学省「令和6年度国公私立大学・入学者選抜実施状況の概要」他

先に結論をまとめておきます。

★「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の違い★

高校の成績 合格したら?受かったら? 入試時期 合格発表
総合型選抜(旧・AO入試) 不要 併願可が多い 9月頃~ 11月~
学校推薦型選抜 必要(まれに不要) 専願(進学前提) 11月頃~ 12月~
指定校選抜入試 必須 専願(進学前提) 6月~10月 12月頃

 

 

「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の3つの違い

1 高校の成績の要・不要

2 併願可か不可か

3 入試時期

「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の3つの違い

総合型選抜の基本のキ(2021年度から名称変更):用語解説

AO入試(Admissions Office):アドミッション・オフィス(入学担当管理局)が選抜する

方式の入試です。会社で言うと「人事部」のイメージです。

このAO入試が2021年度から総合型選抜に名前が変わっています。中身はそれほど変わっていません。

AO入試・推薦入試は3種類:「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「指定校選抜」

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試(旧・指定校推薦)

そもそも大学の「推薦入試」には上記の3つがあります。

先にまとめを:「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO入試)」の違い

★「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO入試)」の違い★

高校の成績 合格したら?受かったら? 入試時期 合格発表
総合型選抜(旧・AO入試) 不要 併願可が多い 9月頃~ 11月~
学校推薦型選抜 必要(まれに不要) 専願(進学前提) 11月頃~ 12月~
指定校選抜入試 必須 専願(進学前提) 6月~10月 12月頃

 

最大の違いは、「総合型選抜」には高校の介入する要素があまりないという点です。

高校の成績も不要な事が多いです。より自己プロデュース的な要素が強いです。

逆に、「学校推薦型」「指定校選抜(指定校推薦)」は、高校➡大学という流れが

強いです。ですので、合格した場合、進学する事が前提です

学校長の推薦をもらって、決まった大学を受験し、受かったら進学する

これが「学校推薦型選抜」「指定校選抜」とお考えください。

 

「総合型選抜」は、併願も可能なら、受かっても進学しない(国公立大学を

年明けに受ける事も可能)事も可能です。

 

以下、それぞれの「推薦入試」の細かな違いをまとめています。

 

1 総合型選抜(旧・AO入試)

面接や書類審査を通して、学生の意欲等を総合的に判定する入試です。

まあ、各大学や学部、学科が欲しい学生(高校生)をピックアップして

取れるわけですね。会社で人事部が採用をするイメージです。

実態としては、

各大学・学部・学科に、アドミッションポリシー(Admission policy)

という、「こういう学生(高校生)が欲しい」

と明記されたものが存在します

だから、大学、学部、学科によって「欲しい人材は異なる」と考える事が必要です。

例えば、法政大学文学部地理学科では、

地図を眺めていると時間を忘れてしまう人3度の飯より地理が好きだという人」

を求めていると明記されています(もちろん変更は今後あるでしょうが)。

★「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の違い★

高校の成績 合格したら?受かったら? 入試時期 合格発表
総合型選抜(旧・AO入試) 不要 併願可が多い 9月頃~ 11月~
学校推薦型選抜 必要(まれに不要) 専願(進学前提) 11月頃~ 12月~
指定校選抜入試 必須 専願(進学前提) 6月~10月 12月頃

例えば「東大のアドミッション・ポリシーは?」

東京大学の使命と教育理念

1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は,国内外の様々な

分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野をもった市民的エリート」(東京大学憲章)を

育成することが,社会から負託された自らの使命であると考えています。

このような使命のもとで本学が目指すのは,自国の歴史や文化に深い理解を示す

とともに,国際的な広い視野を持ち,高度な専門知識を基盤に,問題を発見し,

解決する意欲と能力を備え,市民としての公共的な責任を引き受けながら,

強靭な開拓者精神を発揮して,自ら考え,行動できる人材の育成です。

そのため,東京大学に入学する学生は,健全な倫理観と責任感,主体性と行動力を

持っていることが期待され,前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)

から可能な限り多くを学び,広範で深い教養とさらに豊かな人間性を培うことが

要求されます。この教養教育において,どの専門分野でも必要とされる基礎的な

知識と学術的な方法が身につくとともに,自分の進むべき専門分野が何であるのかを

見極める力が養われるはずです。本学のカリキュラムは,このように幅広く分厚い

教養教育を基盤とし,その基盤と有機的に結びついた各学部・学科での多様な専門教育

へと展開されており,そのいずれもが大学院や研究所などで行われている世界最先端の

研究へとつながっています。」

なっがい、おもしろくない、くどい、はなもちならない・・・

東大の一般入試(あ、2021年度以降は「一般選抜」か)と一緒ですね。

 

結論:総合型選抜(旧・AO入試)はもっとも就職活動に近いです

自分(ないしはお子さん)が大学・学部・学科が求める人材として振る舞えるか

が大事です(就職と同じで「人材になれる」必要はなく、そのように大学側から

思われるか?という事になります)。

なお、総合型選抜(旧・AO入試)は(下記で説明する)学校推薦型選抜と違い、

「高校の成績」は問われない事も多く、また、入学を辞退(年明けに国公立大学を

受ける等)する事も条件によってはできます(大学の募集要項によります。「併願可」

か「専願のみ」かの違いですね)。同じ大学でも学部によって併願可、専願のみの違い

がある事がありますので、事前に確認が必要となります。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

 

★「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の違い★

高校の成績 合格したら?受かったら? 入試時期 合格発表
総合型選抜(旧・AO入試) 不要 併願可が多い 9月頃~ 11月~
学校推薦型選抜 必要(まれに不要) 専願(進学前提) 11月頃~ 12月~
指定校選抜入試 必須 専願(進学前提) 6月~10月 12月頃

2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)

学校推薦型選抜(旧・推薦入試)は、総合型選抜(旧・AO入試)とかなり

近いですが、2点大きな違いがあります。

1 高校の評定平均・内申点(学力)が必要な事が多い

2 基本は「専願」:合格したらその大学(学部)に進学しないといけない

例えば、上智大学の学校型推薦の場合、評定平均4.0以上(5段階です)とされて

います。それ以上の評定平均がないとそもそも出願ができません。

多少極端ですが、東京医科歯科大学(現・東京科学大学の医学部)ですと、

学校型推薦のために必要な評定平均は4.7でした。ほぼオール5ですね。

 

また、学校が推薦するものなので、受かったら進学する事が前提です。

とはいえ、同じ時期(例えば9月~11月くらい)に複数の学校型推薦を受ける事は

現実にはできる事が多いです(2026年度入試時点)。

 

また、国公立大学の「推薦」は基本的にすべて学校推薦型選抜(旧・推薦入試)です。

国公立大学の学校推薦型選抜(旧・推薦入試)の場合は、

・大学入学共通テストのボーダーラインが課されることも

・別途、学力試験が課される事も

となっており、私立大学に比べて、より学力の担保を求めています。

 

学校推薦型選抜(旧・推薦入試)は、受かったら行かないといけないので、

倍率は低くなりがちです。

行きたい学校がハッキリしている+学びたい事がハッキリしている場合は、

学校推薦型選抜(旧・推薦入試)はおススメの大学入試

と言えるかもしれませんね。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

3 指定校選抜入試

高校内の選抜を通るとほぼ入学が確定する制度です。

真面目な生徒がコツコツ、評定平均・内申を積み上げてという

イメージです。

「指定校推薦」は昔からある推薦制度ですので、多くの方がご存じ

だと思います。

指定校推薦は、学校推薦型選抜と総合型選抜(旧・AO入試)と違い、

大学がほぼ介入しませんので、結果として、「学力の担保は?」とか

「高校の先生次第では?」といった批判が出がちな制度でもあります。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

ですので、指定校推薦は、学校推薦型選抜と総合型選抜(旧・AO入試)と

違うものと理解した方が良いでしょう。

とはいえ、2026年度入試時点では、多くの高校生が大学に進学するルートに

なっているのも事実です。

★「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の違い★

高校の成績 合格したら?受かったら? 入試時期 合格発表
総合型選抜(旧・AO入試) 不要 併願可が多い 9月頃~ 11月~
学校推薦型選抜 必要(まれに不要) 専願(進学前提) 11月頃~ 12月~
指定校選抜入試 必須 専願(進学前提) 6月~10月 12月頃

 

まとめ:「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の3つの違い

★「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の違い★

高校の成績 合格したら?受かったら? 入試時期 合格発表
総合型選抜(旧・AO入試) 不要 併願可が多い 9月頃~ 11月~
学校推薦型選抜 必要(まれに不要) 専願(進学前提) 11月頃~ 12月~
指定校選抜入試 必須 専願(進学前提) 6月~10月 12月頃

「学校推薦型+指定校推薦」と「総合型選抜(旧・AO推薦)」の3つの違い

1 高校の成績の要・不要

2 併願可か不可か

3 入試時期

 

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