総合型選抜の基本のキ(2021年度から名称変更):大学入試・推薦の時代

大学の「推薦入試」は情報力勝負になっています。まずは、基本をおさえましょう。

その前に、大学の推薦入試全般のぶっちゃけた話を書いておきます。

総合型選抜(大学入試)は何のため?

★MARCH未満の大学は「学生確保」のため:お金払えば入れますみたいな大学多数

★MARCHクラスも半分は「学生確保」+意欲ある学生が欲しい

★早慶以上は「意欲や能力ある学生を確保したい」

★国公立は(現段階では)様子見:将来的には・・・

異論はおおいに認めますが、それほどズレた事は言ってないと

思います。

特に、大学の中で多数を占める、難易度的に「MARCH未満の私立大学」

にとっては、総合型選抜は年内に学生確保をする事がプライオリティー

(優先順位)のトップでしょう。

 

大学入試の「総合型選抜」について基本のキをまとめました。

総合型選抜の基本のキ(2021年度から名称変更):大学入試・推薦の時代

2021年度より名称変更

一般入試 一般選抜
AO入試 総合型選抜
推薦入試 学校推薦型選抜

以下、一般選抜(いわゆる学力入試とされる一般入試)以外の、

「推薦入試」の基本をまとめていきます。

総合型選抜の基本のキ(2021年度から名称変更):用語解説

AO入試(Admissions Office):アドミッション・オフィス(入学担当管理局)が選抜する

方式の入試です。会社で言うと「人事部」のイメージです。

このAO入試が2021年度から総合型選抜に名前が変わっています。中身はそれほど変わっていません。

 

AO入試・推薦入試は3種類:「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「指定校選抜」

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試(旧・指定校推薦)

それぞれ確認をしていきます。

1 総合型選抜(旧・AO入試)

面接や書類審査を通して、学生の意欲等を総合的に判定する入試です。

まあ、各大学や学部、学科が欲しい学生(高校生)をピックアップして

取れるわけですね。会社で人事部が採用をするイメージです。

実態としては、

各大学・学部・学科に、アドミッションポリシー(Admission policy)

という、「こういう学生(高校生)が欲しい」

と明記されたものが存在します

だから、大学、学部、学科によって「欲しい人材は異なる」と考える事が必要です。

例えば、法政大学文学部地理学科では、

地図を眺めていると時間を忘れてしまう人3度の飯より地理が好きだという人」

を求めていると明記されています(もちろん変更は今後あるでしょうが)。

 

例えば「東大のアドミッション・ポリシーは?」

東京大学の使命と教育理念

1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は,国内外の様々な

分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野をもった市民的エリート」(東京大学憲章)を

育成することが,社会から負託された自らの使命であると考えています。

このような使命のもとで本学が目指すのは,自国の歴史や文化に深い理解を示す

とともに,国際的な広い視野を持ち,高度な専門知識を基盤に,問題を発見し,

解決する意欲と能力を備え,市民としての公共的な責任を引き受けながら,

強靭な開拓者精神を発揮して,自ら考え,行動できる人材の育成です。

そのため,東京大学に入学する学生は,健全な倫理観と責任感,主体性と行動力を

持っていることが期待され,前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)

から可能な限り多くを学び,広範で深い教養とさらに豊かな人間性を培うことが

要求されます。この教養教育において,どの専門分野でも必要とされる基礎的な

知識と学術的な方法が身につくとともに,自分の進むべき専門分野が何であるのかを

見極める力が養われるはずです。本学のカリキュラムは,このように幅広く分厚い

教養教育を基盤とし,その基盤と有機的に結びついた各学部・学科での多様な専門教育

へと展開されており,そのいずれもが大学院や研究所などで行われている世界最先端の

研究へとつながっています。」

なっがい、おもしろくない、くどい、はなもちならない・・・

東大の一般入試(あ、2021年度以降は「一般選抜」か)と一緒ですね。

 

結論:総合型選抜(旧・AO入試)はもっとも就職活動に近いです

自分(ないしはお子さん)が大学・学部・学科が求める人材として振る舞えるか

が大事です(就職と同じで「人材になれる」必要はなく、そのように大学側から

思われるか?という事になります)。

なお、総合型選抜(旧・AO入試)は(下記で説明する)学校推薦型選抜と違い、

「高校の成績」は問われない事も多く、また、入学を辞退(年明けに国公立大学を

受ける等)する事も条件によってはできます(大学の募集要項によります。「併願可」

か「専願のみ」かの違いですね)。同じ大学でも学部によって併願可、専願のみの違い

がある事がありますので、事前に確認が必要となります。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)

学校推薦型選抜(旧・推薦入試)は、総合型選抜(旧・AO入試)とかなり

近いですが、2点大きな違いがあります。

1 高校の評定平均・内申点(学力)が必要な事が多い

2 基本は「専願」:合格したらその大学(学部)に進学しないといけない

例えば、上智大学の学校型推薦の場合、評定平均4.0以上(5段階です)とされて

います。それ以上の評定平均がないとそもそも出願ができません。

多少極端ですが、東京医科歯科大学(現・東京科学大学の医学部)ですと、

学校型推薦のために必要な評定平均は4.7でした。ほぼオール5ですね。

 

また、学校が推薦するものなので、受かったら進学する事が前提です。

とはいえ、同じ時期(例えば9月~11月くらい)に複数の学校型推薦を受ける事は

現実にはできる事が多いです(2025年時点)。

 

また、国公立大学の「推薦」は基本的にすべて学校推薦型選抜(旧・推薦入試)です。

国公立大学の学校推薦型選抜(旧・推薦入試)の場合は、

・大学入学共通テストのボーダーラインが課されることも

・別途、学力試験が課される事も

 

学校推薦型選抜(旧・推薦入試)は、受かったら行かないといけないので、

倍率は低くなりがちです。

行きたい学校がハッキリしている+学びたい事がハッキリしている場合は、

学校推薦型選抜(旧・推薦入試)はおススメの大学入試

と言えるかもしれませんね。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

3 指定校選抜入試

高校内の選抜を通るとほぼ入学が確定する制度です。

真面目な生徒がコツコツ、評定平均・内申を積み上げてという

イメージです。

「指定校推薦」は昔からある推薦制度ですので、多くの方がご存じ

だと思います。

指定校推薦は、学校推薦型選抜と総合型選抜(旧・AO入試)と違い、

大学がほぼ介入しませんので、結果として、「学力の担保は?」とか

「高校の先生次第では?」といった批判が出がちな制度でもあります。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

ですので、指定校推薦は、学校推薦型選抜と総合型選抜(旧・AO入試)と

違うものと理解した方が良いでしょう。

 

「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「指定校選抜」のスケジュール

★難関私立(早慶等)の総合型選抜が早く始まります:9月頃

★学校型選抜の出願は11月頃から始まります

 

つ・ま・り、総合型選抜(旧AO入試)の結果が出てから、学校推薦型や一般選抜

は始まります。ですので、二股は可能だと言う事になります。受験は可能ですが、

準備が可能かどうかはまた別の問題ですが…

 

まとめ:総合型選抜の基本のキ(2021年度から名称変更):大学入試・推薦の時代

2021年度より名称変更

一般入試 一般選抜
AO入試 総合型選抜
推薦入試 学校推薦型選抜

ぶっちゃけ、大学側にとって、総合型選抜とは?

★MARCH未満の大学は「学生確保」のため:お金払えば入れますみたいな大学多数

★MARCHクラスも半分は「学生確保」+意欲ある学生が欲しい

★早慶以上は「意欲や能力ある学生を確保したい」

★国公立は(現段階では)様子見:将来的には・・・

 

異論はおおいに認めますが、それほどズレた事は言ってないと思います。

もちろん、東大や一橋大学、東京科学大学といった所からしたら

「そんなこともないよ」

という事になるでしょうが、そんな上澄みの話はここではしていません!

ほぼすべての大学にとってという事です。

大学入試の「推薦」は大きく以下の3つに分かれます。

1 総合型選抜(旧・AO入試)
2 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)
3 指定校選抜入試

詳細は記事の上部で説明したとおりです。

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