正確に言うと、難関大学の一般選抜(一般入試)は難化しています。
先に結論を。
★難関大学の一般選抜(一般入試)が難化している3つの理由!★
1 大学進学者数・大学進学率は増えてる→難関大学志望者は減っていない
2 共通テストの難化+総合型選抜の増加→多くの受験性が「推薦」へ
3 一般選抜の合格者数は減る傾向
大学の一般選抜(一般入試)が難化している3つの理由!難関大学だけ?令和・2020年代の大学入試!
1 大学進学者数・大学進学率は増えてる→難関大学志望者は減っていない
少子高齢化と言われ、年間の出生数が70万人を割り、18歳人口も当然
減っています。た・だ・し、
大学進学者数は増えています。大学進学率が上がっているからです。
| 時期 | 18歳人口 | 大学進学率 | 大学進学者数 |
| 1992年頃 | 約205万人 | 25.8% | 約53万人 |
| 2000年 | 約164万人 | 40% | 約65万人 |
| 2011年 | 約120万人 | 50% | 約61万人 |
| 2023年 | 約111万人 | 57.7% | 約62万人 |
ご覧のように、この30年くらいで18歳人口は半分くらいになっていますが、
大学進学者数は減っていないどころか増えています。
理由は大学進学率が上がっているからです。
一方で大学の数も増えています。
| 年度(元号) | 大学数(総数) | 備考 |
| 1992年(平成4年) | 約520校 | 1990年代の大学増設期の初期 |
| 2000年(平成12年) | 約650校 | 2000年代前半にかけて増加が加速 |
| 2011年(平成23年) | 約780校 | 増加ペースはやや緩やかになる |
| 2023年(令和5年) | 810校前後 | 過去最高水準を維持・更新 |
しかも、大学の数の増え方は、進学者数よりもはるかに多いです。
ということは?
はい、そうです。
★「大学」に入る事は簡単になった:数が増えたから★
★でも、進学者数も増えているので、難関大学は難しいまま★
という構図ができています。
例えば、難関大学とされる、国公立大学や早慶上智MARCHといった
大学の数はそれほど変わりませんから、結果として、難関大学への
合格はやや難しくなっていたとしてもそれほど驚きませんよね?
| 早稲田大学基幹理工学部 | 学習院大学法学部 | 法政大学経営学部 | |
| 2014年度 | 偏差値62.5 | 偏差値55.0 | 偏差値57.5 |
| 2024年度 | 偏差値65.0 | 偏差値57.5 | 偏差値60.0 |
出典:河合塾の模試の偏差値
いわゆる難関私大ですが、すべて、ここ10年で偏差値を少し上げています。
実は、進学者が増えた+難関大学は増えていない、以外にも難関大学の一般選抜が
難化した理由が存在します。
2 共通テストの難化+総合型選抜の増加→多くの受験性が「推薦」へ
2021年度に始まった「共通テスト」の存在と、大学が総合型選抜を増やしている
事が、難関大学の一般選抜が難化した理由の二つ目です。
センター試験に変わって始まった共通テスト(通称・共テ)ですが、
「知識→思考力」という名目のもと行われましたが、問題数も増大し、
短時間で大量に解かなければならないなど、シンプルに難しくなりました。
2021年度に始まった「共通テスト」(共テ)とほぼ同時に、私立大学では、
「総合型選抜」(AO入試)が増大しました。
さも、「共テを受けなくても大学に入れますよ~~」と言わんばかりです。
(大学によっては共通テストで一定の点数を取ることを総合型選抜の合格者に
科すこともありますが、かなり少数派です)
| 2011年度 | 2024年度 | |
| 入学者総数 | 599407人(100%) | 613453人(100%) |
| 一般選抜(旧・一般入試) | 333722人(55.7%) | 291590人(47.5%) |
| 学校推薦型入試(指定校推薦を含む) | 210450人(35.1%) | 214549人(35%) |
| 総合型選抜(旧・AO入試) | 51895人(8.7%) | 98520人(16.1%) |
そして、水が引く気に流れるがごとく、
多くの受験性が「推薦」での大学入学に流れました。
2024年には一般選抜での大学入学者数が半数を割りました。
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その結果、ただでさえ志望者の多い、難関大学の一般選抜(一般入試)の
難易度は高止まり、もしくは上がっているわけです。
(もちろん、学校推薦型や総合型選抜なら難関大学に入りやすいという
わけではないですよ。そちらにはそちらの難しさがあります。念のため。)
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3 一般選抜の合格者数は減る傾向
この点は「2 共通テストの難化+総合型選抜の増加→多くの受験性が「推薦」へ」
とも大きく関わりますが、大学の定員自体はそれほどかわらないので、
推薦が増えれば増えるほど、一般選抜の合格者数は減る事になります。
その結果、難関大学(特に難関私大)の偏差値は上がります。
総合型選抜や学校推薦型の入試には偏差値という概念がありませんから、
一般選抜の数が偏差値に直結します。
私立大学側としては、パッと見た時の自分の大学の偏差値が高く出るとい
うのは営業上も決して悪いことではないでしょうね。
以上のような結果、令和の現在、
難関大学の一般選抜(一般入試)は難化しています。
まあ、上記したように、大学の数自体はかなり増えていますので、
難関大学でなければ、正直、大学に入ること自体は、お金さえ
払えば誰でもできるという状況というのが実際の所です。
この記事はあくまでも、難関大学+一般選抜の難易度が上がっている
という事です。
まとめ:大学の一般選抜(一般入試)が難化している3つの理由!難関大学だけ?令和・2020年代の大学入試!
★難関大学の一般選抜(一般入試)が難化している3つの理由!★
1 大学進学者数・大学進学率は増えてる→難関大学志望者は減っていない
2 共通テストの難化+総合型選抜の増加→多くの受験性が「推薦」へ
3 一般選抜の合格者数は減る傾向